予備試験の短答式試験の概要と合格率、令和6年最新結果から傾向まで
目次
この記事を読んで理解できること
- 予備試験の短答式試験とは?
- 予備試験の短答式試験が難しい理由
- 予備試験短答式試験の過去問題の結果と傾向
あなたは、
- 予備試験の短答式試験について知りたい
- 予備試験の短答式試験の合格率は?
- 予備試験の短答式試験が難しい理由は?
などとお考えではありませんか?
予備試験の短答式試験は、司法試験の短答式試験に比べて科目数が多く受験者も多いため、過去7年間の合格率は20%台前半で推移している大変難しい試験です。
また、合格者の平均点と受験者全体の平均点の差が大きく、平均レベルの実力では合格できない、いわゆる狭き門だといえます。
司法試験予備試験の流れと合格率は、次のようになります。
短答式試験は、予備試験合格に向けた最初の関門になります。
この記事では、
1章では、予備試験の短答式試験とは?
2章では、短答式試験が難しい理由
3章では、予備試験短答式試験の過去問題の結果と傾向
について解説します。
この記事を読んで、予備試験短答式試験の内容や傾向をしっかり把握し、予備試験合格に向けて役立ててください。
予備試験の概要については、こちらの記事で詳しく解説しています。
予備試験とは?その特徴や試験科目から合格率、対策の重要性を徹底解説
1章:予備試験の短答式試験とは?
予備試験の短答式試験とはどういった内容なのか、
- 短答式試験の出題科目と試験時間・問題数・配点
- 短答式試験の合格点や合格率
について解説します。
1-1:短答式試験の出題科目と試験時間・問題数・配点
短答式試験の出題科目と試験時間・問題数・配点は、
次のようになります。
短答式試験の出題科目は、司法試験法第5条第2項において、法律基礎科目である憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法の7科目、及び一般教養科目について行うとされています。
法律基本科目では、幅広い分野から基本的な事項に関する内容を、多数出題するものとしています。
一般教養科目では、人文科学、社会科学、自然科学及び英語の分野から多数の問題が出題され、大学卒業程度の一般教養を基本とし法曹として必要な教養を有するかどうかが問われます。
日程としては、毎年7月中旬に1日で実施され、8月ごろに合格発表される予定です。
1-2:短答式試験の合格点や合格率
短答式試験の令和6年(2024年)まで7年間の受験者数や合格者数・合格点・合格率は、それぞれ次のようになります。
令和6年(2024年)の合格点は270点満点で165点以上、合格率は21.9%でした。
過去7年間の合格点は160点前後、合格率は20%台前半で推移しています。
2章:予備試験の短答式試験が難しい理由
予備試験の短答式試験が難しい理由としては、
- 科目数が多い
- 合格率が低い
この2つがあげられます。
予備試験の短答式試験は、出題科目が法律基本7科目及び一般教養科目であり、司法試験の短答式試験(3科目)に比べて非常に多くなっています。
科目数に合わせて問題数も多くなるため、マークシート方式による選択問題ですが時間との戦いになります。
また科目数が多いため出題範囲も膨大になり、判例や条文に関する幅広い知識が問われます。
そのため合格率は、司法試験の短答式試験は70〜80%台で推移しているのに対して、予備試験の短答式試験は20%台前半と大変低くなっています。
過去7年間の合格点は、270点満点に対して160点前後で推移しているため、合格するには約6割以上の得点が必要でしょう。
また、令和6年(2024年)の予備試験短答式試験の結果では、全体の平均点は129.2点ですが、合格点は165点以上、合格者の平均点は181.1点と大きな差があります。
参考までに、令和6年の予備試験短答式試験の各科目の平均点は、次のような結果になっています。
- 憲 法:13.6点(12問、30点満点)
- 行政法:11.2点(12問、30点満点)
- 民 法:16.5点(15問、30点満点)
- 商 法:14.3点(15問、30点満点)
- 民事訴訟法:15.6点(15問、30点満点)
- 刑 法:18.2点(13問、30点満点)
- 刑事訴訟法:14.6点(13問、30点満点)
- 一般教養科目:25.1点(42問中20問選択、60点満点)
そのため合格を目指すには、平均レベルを大きく上回る上位2割に入る実力が必要でしょう。
予備試験の難易度については、こちらの記事で詳しく解説しています。
予備試験の難易度を徹底解説!予備校が教えない合格できない理由
3章:予備試験短答式試験の過去問題の結果と傾向
3-1:令和6年予備試験短答式試験の結果と傾向
令和6年(2024年)に行われた予備試験短答式試験の問題は、法務省のこちらのページで確認できます。
■令和6年予備試験短答式試験問題
■正解及び配点
■令和6年予備試験短答式試験の結果概要
- 受験者数:12,569人(前年比803人減)
- 合格者数:2,747人(前年比62人増)
- 合格点:165点以上
- 合格率:21.9%(前年比約2ポイント上昇)
■試験結果の分析
- 合格点は過去7年間で2番目に高い
- 合格率は21.9%と過去7年間の平均(22.5%)より低くなっている
- 受験者数は前年から約6%減少するも、合格者数は約2%増加している
- 合格者の平均点(181.1点)と全体の平均点(129.2点)の差が大きい
■科目別の分析
- 憲法:平均点13.6点で、過去6年間で最も難しかった
- 行政法:平均点11.2点で、全科目中最も低い平均点を推移
- 民法:平均点16.5点で、中程度の難易度
- 商法:平均点14.3点で、前年と同程度の難易度
- 民事訴訟法:平均点15.6点で、中程度の難易度
- 刑法:平均点18.2点で、前年と同程度で比較的易しい
- 刑事訴訟法:平均点14.6点で、中程度の難易度
3-2:予備試験短答式試験の過去問題
予備試験短答式試験の過去問題は、法務省のこちらのページでそれぞれ確認できます。
■令和5年予備試験短答式試験問題
■正解及び配点
■令和4年予備試験短答式試験問題
■正解及び配点
■令和3年予備試験短答式試験問題
■正解及び配点
■令和2年予備試験短答式試験問題
■正解及び配点
■令和元年予備試験短答式試験問題
■正解及び配点
まとめ:予備試験の短答式試験の概要
予備試験の短答式試験の概要や難しい理由、過去問題などについて詳しく解説しました。
予備試験短答式試験は、司法試験の短答式試験に比べて出題科目も多く、合格率も20%台前半と大変低くなっています。
そのため、合格するには約6割以上の得点と、受験生全体の上位2割に入る程度の実力を備えている必要があります。
予備試験合格を目指す皆さんが、本記事を参考に効率的な学習を進め、一日も早く合格の栄冠を手にされることを願っています。
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