中央大学法科大学院(中央ロー)はおすすめ?司法試験合格状況と入試内容
目次
この記事を読んで理解できること
- 中央大学法科大学院(中央ロー)の概要
- 中央大学法科大学院の司法試験の合格率
- 中央大学法科大学院の入試情報
- 中央大学法科大学院の特徴
- 法科大学院ルートの場合も予備試験を受験するのがおすすめ
あなたは、
- 中央大学法科大学院のことが詳しく知りたい
- 中央大学法科大学院の司法試験の合格状況が知りたい
- 入試の内容や難易度を知りたい
とお考えではありませんか?
中央大学法科大学院は、長い歴史を持つ中央大学の法学教育の伝統を活かし、多くの法曹を輩出している法科大学院です。
法曹を目指す際の進学先の候補にする方も多いですが、司法試験合格の状況や教育の特徴など、実態を把握したうえで検討したいですよね。
結論として、司法試験の合格率は、令和5年の司法試験まで全国平均を下回っていたものの、令和6年の試験では約46%に達し、法科大学院の中で5位の成績を収めました。
教育内容については、学修サポートの制度や経済的支援が充実している点が、中央大学法科大学院の魅力といえます。
この記事を読めば、中央大学法科大学院の司法試験結果や入試の内容、教育の特徴を詳しく知ることができ、進学を目指すかどうかの判断材料となるでしょう。
具体的には、
1章で、中央大学法科大学院の基本情報
2章で、中央大学法科大学院の司法試験での結果
3章で、入試の内容や難易度
4章で、中央大学法科大学院の特徴
5章で、まずは予備試験に挑戦することをおすすめする理由
について、詳しく解説します。
中央大学法科大学院の特徴を正しく把握し、自分に合った進学先を考えていきましょう。
1章:中央大学法科大学院(中央ロー)の概要
まずは、中央大学法科大学院の概要を紹介します。
法科大学院制度の詳しい説明や、進学するメリットやデメリットについて知りたい方は、以下の記事を併せてご覧ください。
法科大学院(ロースクール)とは?進学するメリット・デメリットを徹底解説
1-1:基本情報
中央大学法科大学院の基本情報を以下にまとめました。
他の法科大学院と同様、3年間の法学未修者コースと、1年次の課程が免除される2年間の法学既修者コースがあります。
入学料を除く年間の学費は130万円となり、国立の法科大学院よりは高額になりますが、私立の中では平均的な額です。
中央大学法科大学院は奨学金などの制度が充実しており、対象人数も比較的多いため、それらの制度の利用も含めて検討すると良いでしょう。
1-2:奨学金や授業料免除の制度
中央大学法科大学院では、以下のとおり独自の奨学制度が複数用意されています(令和6年度実施予定の内容)。
この他にも、日本学生支援機構の奨学金や民間団体による奨学金も利用することができ、多くの学生が経済的な支援を受けられる環境が整えられています。
これらの支援制度は選考基準や支援金額が違ったり、給付か貸与といった支援方法に違いもあったりするため、進学を検討する際は事前によく調べましょう。
2章:中央大学法科大学院の司法試験の合格率
ここでは、中央大学法科大学院の司法試験合格率の推移や、他の法科大学院と比較したときの位置づけについて詳しく解説します。
2-1:令和6年司法試験の合格率は49%
まず、直近6年間の中央大学法科大学院の司法試験合格率の推移を見ていきます。
以下は、令和元年~6年の司法試験における中央大学法科大学院の受験者数、合格者数、および合格率です。
令和6年の司法試験では、受験者数181人、合格者数83人、合格率は45.9%という結果でした。
これまでは合格率が30%前後と全国平均の合格率を下回っていましたが、令和5年の試験から合格率が上昇し、令和6年の試験で全国平均を上回りました。
これは、令和5年の試験から在学中受験が可能になったことが関係している可能性があります。
在学中受験とは、法科大学院の在学生が所定の要件を満たすことで、修了を待たずに司法試験を受験できる制度です。
令和5年の在学中受験の合格率は61.8%と、修了者の合格率28.1%を大幅に上回り、結果的に全体の合格率を押し上げています。
参照:法務省「令和5年司法試験法科大学院別人員調(既修・未修別)」※資料2枚目
2-2:令和6年の法科大学院別合格率は第5位
次に、法科大学院全体の合格率の中で、中央大学法科大学院がどのような位置にあるかを見ていきます。
以下は、過去6年間の司法試験における合格率上位の法科大学院です。
ただし、安定して高い実績を出している法科大学院で比較をするため、合格者数が50人以上の学校に限定しています。
中央大学法科大学院の合格率を見ると、令和5年までの試験で6~8位の位置にいます。合格者数でいえば、安定的に6位以内には入っています。
令和6年の結果を見ると、慶應義塾大学法科大学院を除き、全ての法科大学院で50%を切っており、上位校でも半数以上が合格していません。
どの法科大学院に進学するかだけでなく、入学後も継続的に学習し、自分自身で力をつけていくことが非常に重要だといえるでしょう。
3章:中央大学法科大学院の入試情報
中央大学法科大学院の入試情報については、以下の点を押さえておくと良いでしょう。
- 入試倍率は約2倍
- 他大学出身の入学者も多い
- 募集人数
- 入試スケジュール
- 出願書類
- 選抜方法
- 筆記試験の出題傾向
- おすすめの入試対策
ここでは令和7年度の入学者選抜要項に基づき、それぞれ説明します。
※参照:中央大学法科大学院「2025年度 入学者選抜要項<開放型選抜・一般選抜>」
中央大学法科大学院「2025年度 入学者選抜要項<開放型選抜・一般選抜>」
中央大学法科大学院「2025年度 入学者選抜要項<5年一貫型選抜>」
3-1:入試倍率は約2倍
中央大学法科大学院の入試倍率は約2倍です。
以下は、過去6年分の中央大学法科大学院の入試倍率(受験者数÷合格者数)です。
全体の倍率は、全法科大学院の平均倍率よりは低めです。
コース別にみると、法学未修者の倍率の方が高くなっています。
倍率が低い原因の一つとして、定員充足率が6~7割とと低めのため、入試では募集人数の約2.5倍の人数を合格させていることが考えられます。
参照:文部科学省「各法科大学院の令和2年度~令和6年度入学者選抜実施状況等」
3-2:他大学出身の入学者も多い
中央大学法科大学院の入学者の中には、他大学出身者も多く含まれています。
令和5年度に中央大学法学部を卒業した学生の進路状況を見ると、自大学院への進学は47名です。
法科大学院の入学者の出身大学は公表されていませんが、令和6年度の入学者数が148名であることから、半数以上が他大学出身者であると考えられます。
なお、社会人の入学者は148名中21名、非法学部出身者も21名となっています(社会人かつ非法学部出身者は重複してカウント)。
参照:文部科学省「各法科大学院の令和2年度~令和6年度入学者選抜実施状況等」
中央大学出身者の推薦枠はなく、客観性、公平性、開放性、多様性を確保することが明示されているので、他大学生や社会人が不利に扱われることはないでしょう。
3-3:募集人数
中央大学法科大学院の令和7年度入学における募集人数は、以下のとおりです。
法学既修者の「開放型選抜」は、大学の法曹基礎課程に在籍する学生が対象です。
法曹基礎課程とは、大学がいずれかの法科大学院と連携し、法学部3年と法科大学院2年の一貫教育で効率的に法曹が目指せるように設置された「法曹コース」のことです。
そのうち、中央大学法科大学院と連携した大学の法曹基礎課程に在籍する学生を対象としているのが、「5年一貫型選抜」になります。
令和7年度入試における「5年一貫型選抜」の対象大学は以下の11校であり、このうち「地方大学出身者専願枠」の対象は鹿児島大学、熊本大学、信州大学、新潟大学です。
- 鹿児島大学
- 熊本大学
- 信州大学
- 新潟大学
- 学習院大学
- 西南学院大学
- 中央大学
- 明治学院大学
- 明治大学
- 立教大学
- 立命館大学
3-4:入試スケジュール
令和7年度入学の中央大学法科大学院の入試スケジュールは、以下のとおりです。
法科大学院により入試スケジュールは異なり、一般的に私立の法科大学院は6月頃から出願期間が始まり、試験は7~9月頃に実施されます。
一方、国立の法科大学院は9月以降に試験が実施されるため、私立と国立を併願する受験生は少なくありません。
3-5:出願書類
中央大学法科大学院に出願するにあたり、必要となる主な書類は以下のとおりです。
- 志望コース選択欄および誓約書(所定の様式)
- 写真票(所定の様式)
- 志願者調書(所定の様式)
- 提出証明書類一覧(所定の様式)
- 大学の卒業(見込)証明書および成績証明書
- 事前出願受付後に届いたメールを印刷したもの
- 外国語能力証明書、国家資格試験合格証または資格を証明する書類等(任意提出だが志願者調書に記載した資格等については必須)
選抜枠によって必要書類が異なったり、条件によって追加書類が必要になったりするので、入学者選抜要項の内容をよく確認してください。
各項目の所定様式は、以下のサイトでダウンロードできます。
参照:中央大学法科大学院「『2025年度法科大学院入学者選抜要項』公開」
特に志願者調書では、志望理由や目指す法曹像、自己PRとなる学歴、職歴、活動歴などを記載する必要があります。
選考の際に評価の対象となるため、自身の強みを具体的にアピールできるよう、十分な時間をかけて作成しましょう。
3-6:選抜方法
中央大学法科大学院の入試では、選抜枠ごとの試験の成績と提出書類の内容を総合的に評価して合否が判定されます。
各選抜枠の試験内容は以下のとおりです。
法律試験科目は、1科目でも成績が極端に低い場合には不合格となる場合があるとしているため、全ての科目で十分な準備が必要です。
また、一般選抜においては科目ごとの配点に差があることを意識し、効率的に試験対策をすると良いでしょう。
3-7:筆記試験の出題傾向
法学既修者の法律科目試験と法学未修者の小論文筆答試験について、過去問が公表されている令和4年~6年の試験の出題傾向を科目別に紹介します。
■憲法
時事問題を素材に、統治機構・人権の両分野から幅広く出題され、複数の憲法上の論点について総合的な検討を求める出題が特徴です。
■民法
改正民法の理解を前提に、契約法、不法行為法、物権法から複数の論点を組み合わせた出題がされています。重要判例の応用力と実務的な事案処理能力を問う傾向があります。
■刑法
重要判例の理解を前提に、錯誤・正当防衛・中止犯などの総論と、暴行・脅迫を伴う各則の犯罪を組み合わせた事例問題が特徴です。
■民事訴訟法
確認の利益や既判力など基本概念の正確な理解のもと、具体的事例における訴訟要件や手続選択の判断を問う実践的な出題が特徴です。
■刑事訴訟法
強制処分の要件や訴因変更などに関する重要判例の理解を前提に、具体的事案における適法性の判断や令状主義の例外を問うような出題がされています。
■商法
会社法を中心に出題されます。
新株発行や役員の責任など会社法の重要制度について、条文と判例の正確な理解と、実務的な事案における法的判断を問う出題が特徴です。
■小論文
社会制度や科学思想など幅広い分野の学術的文章を題材に、抽象概念の理解と具体例による説明能力を問うような出題がされています。
3-8:おすすめの入試対策
中央大学法科大学院の入試対策として、予備試験の受験を視野に入れた勉強がおすすめです。
予備試験は法律基本7科目が範囲に含まれ、中央大学法科大学院入試の法律科目試験の範囲をカバーしているため、その勉強は入試対策に直結します。
予備試験の過去問に取り組むことで、高いレベルの法的思考力や論述力が養われ、それらは法科大学院入試だけでなく、入学後の学修にも役立ちます。
さらに、予備試験に合格すれば、早期により高い確率で司法試験合格を目指せるため、受験するメリットが大きいのです。
中央大学法科大学院入試の過去問は以下のサイトで公表されています。
法科大学院独自の出題傾向を把握するため、必ず取り組みましょう。
4章:中央大学法科大学院の特徴
中央大学法科大学院の特徴としては、以下の4つが挙げられます。
- OB・OGが多く多様な支援が受けられる
- 学修サポートが手厚い
- 授業料免除や奨学金の制度が充実している
- 留年率が比較的高い
それぞれ説明します。
4-1:OB・OGが多く多様な支援が受けられる
中央大学法科大学院では、5,000人を超えるOB・OGのネットワークから手厚い支援を受けることができます。
中央大学は130年以上にわたり法曹養成に特化した教育をおこなってきており、多くの裁判官・検察官・弁護士を輩出してきた実績があるからです。
具体的には、OB・OGの法律事務所や企業の法務部で実習を行うエクスターンシップがあり、第一線の実務家の姿を間近で見ることができます。
中央大学出身の法曹で構成される中央大学法曹会は、奨学金による経済支援をおこなうほか、就職セミナーや模擬面談を実施して採用者の視点からアドバイスを提供しています。
法科大学院同窓会からも司法試験や就職活動に関するさまざまな支援があり、これらのネットワークは、法曹となった際の貴重な人脈になるでしょう。
4-2:学修サポートが手厚い
中央大学法科大学院は、学修をサポートするさまざまな制度が用意されています。
学生と教員の距離が日本一近い法科大学院を目指していると謳っており、学生が質問・相談しやすい環境が整っているのです。
主な支援内容は以下のとおりです。
- 各クラスに専任教員2名をクラス・アドバイザーとして配置
- 実務講師(若手弁護士)によるフォローアップ演習や学修相談の実施
- 司法試験を見据えた少人数ゼミ、起案添削、個別指導をおこなう安価な課外講座を提供
- 全国統一模試の受験料を一部負担
- 法科大学院専属のキャリア・コンサルタントによるキャリア支援
これらの重層的な支援により、学生は安心して学修に専念することができるでしょう。
4-3:授業料免除や奨学金の制度が充実している
中央大学法科大学院は、特別給付奨学金を中心に充実した経済支援制度が用意されているのが特徴です。
修了年限にわたり年間学費の全額または半額が給付される第一種・第二種特別給付奨学金は、令和6年度の対象人数が最大170名です。
支給実績を見ると、令和6年5月時点で在籍者の半数以上が特別給付奨学金を受けており、多くの学生がこの制度を利用しているのが分かります。
参照:中央大学法科大学院「奨学金給付・貸与状況(2024年5月1日現在)」
その他、「中央大学法曹会奨学金制度」や、国際法曹を目指す学生向けの「増島記念給付奨学金」、社会人学生向けの「東京白門ライオンズクラブ学術奨励賞」などもあります。
中央大学法科大学院の推薦枠がある民間団体の奨学金も多数あるため、自身が利用できる制度がきっと見つかるでしょう。
4-4:留年率が比較的高い
中央大学法科大学院は、上位の法科大学院の中で留年率が比較的高くなっています。
令和4年度における標準修業年限内での修了率を見ると、東大・一橋・京大・慶應といった上位校が56~77%であるのに対し、中央大学法科大学院は48%とかなり低めです。
参照:文部科学省「修了認定の実施状況および標準修業年限以内の修了率」
標準修業年限以内での修了率とは、最短の修業年限で修了した学生の割合を表しています。
中央大学法科大学院の場合は、司法試験合格以外の理由で留年や休学、退学をした数が比較的多く、進級が難しくなっていることも考えられます。
ただし、司法試験合格者も多数輩出していることから、学生ごとの学修状況や学力のばらつきによる可能性もあり、留年率だけを見て判断する必要はないでしょう。
5章:法科大学院ルートの場合も予備試験を受験するのがおすすめ
中央大学法科大学院への進学を目指す方であっても、予備試験を受験することをおすすめします。
予備試験の試験範囲は中央大学法科大学院入試の法律科目試験の範囲をカバーしており、予備試験の勉強が入試対策にも直結するからです。
しかも法律基本7科目について深い理解と高いレベルの論述力が求められるため、予備試験の過去問を活用することで、効率的に学力を伸ばせます。
また、予備試験に合格すれば、早期に司法試験受験資格を得られます。
予備試験合格者の司法試験合格率は法科大学院修了者よりも高いため、より確実な合格への道筋となるのです
法科大学院ルートと予備試験ルートのどちらを選ぶかで迷っている方は、2つのルートを徹底比較している以下の記事を参考にしてください。
法科大学院と予備試験を徹底比較!司法試験合格におすすめのルートは?
まとめ|中央大学法科大学院は学修サポート体制を重視する人におすすめ
中央大学法科大学院は、学修サポートや経済的支援の充実が魅力的な法科大学院です。
中央大学法科大学院の主な特徴としては、以下の点が挙げられます。
- 令和6年の司法試験合格率は5位
- 入試倍率は約2倍
- 他大学出身の入学者も多い
- 学修サポートが手厚い
- 経済的支援が充実
これらを踏まえたうえで、中央大学法科大学院を目指す方には、まず予備試験の受験をおすすめします。
その主な理由は、以下の3つです。
- 予備試験の試験範囲が中央大学法科大学院入試の試験範囲をカバー
- 予備試験の過去問を活用することで、法律基本科目の深い理解と高い論述力が養える
- 予備試験に合格できれば、より早期に、より高い確率で司法試験合格を目指せる
ただし、最難関といわれる予備試験の合格を目指すなら、試験に特化した効果的な対策が不可欠です。
「ヨビロン」では、予備試験特有の出題傾向と対策法を熟知した、予備試験1桁合格者が提唱する「客観的読解法」や「解法パターン」を学べます。
試験本番で初見の問題が出ても対応できるこれらの方法は、他では絶対に学べません。
今なら、以下のLINE登録により、「解法パターン」とその活用方法などを解説した動画が無料でご覧いただけます。
ぜひ、最難関試験合格への第一歩として、お役立てください。
LINE特典動画では、私が提唱する「解法パターン」とその活用方法の一端をお見せします。
動画①では、「判例の射程とは何か」を予備試験の過去問を題材にしながら分かりやすく解説します。この解説を聞いた受講生からは「判例の射程の考え方・書き方がようやくわかった!」との言葉をいただいております。
動画②では、試験開始前に見ることで事案分析の精度が格段にあがるルーズリーフ一枚に収まる目的手段審査パターンまとめです。
動画③では、どの予備校講師も解説をぼやかしている生存権の解法を明確にお渡しします。
そして、動画④では③の生存権の解法パターンを使って、難問と言われた司法試験の憲法の過去問の解説をします。
是非、解説動画を受け取って、世界を変えてください。