【記載例付き】慶應ローのステメンはこれで完璧!情報収集から書き方まで徹底解説
目次
この記事を読んで理解できること
- ステメンを書く前の情報収集
- 「学習、研究およびそれに関連する活動」の書き方
- 「なお記載すべき自己評価および将来のビジョン」の書き方
あなたは、
- 慶應ローのステメンの書き方を知りたい
- どのようなステメンを書けば合格できるのかを知りたい
- ステメンを書く際に何を参考にすればよいかを知りたい
とお考えではありませんか?
慶應義塾大学大学院法務研究科(慶應ロー)など、多くの法科大学院は志願の際にステートメント(ステメン)の提出を提出する必要があります。
ステメンの書き方には模範解答がないので、どう書けばよいか分からないと悩んでしまいますよね。
結論から言うと、慶應ローのステメンは、
- 学習、研究およびそれに関連する活動
- なお記載すべき自己評価および将来のビジョン
の2つを説得的に記載することが重要です。
今回の記事では、
第1章でステメンを書く前の情報収集、
第2章で「学習、研究およびそれに関連する活動」の書き方、
第3章で「なお記載すべき自己評価および将来のビジョン」の書き方
について解説します。
この記事を読めば、説得力のあるステメンを作成し、慶應ローの受験を有利に進めることができるようになるでしょう。
また、慶應ローだけでなく、他の法科大学院にも応用できる書き方を伝授します。
第1章 ステメンを書く前の情報収集
この章では、ステメンを書き始める前の情報収集について解説します。
「それより早く書き方が知りたい!」という方は、第2章から読んでいただいても問題ありません。
ただ、この情報収集が非常に重要なポイントですので、初めから読み進めることをおすすめします。
1-1 情報収集が重要な理由
そもそも、みなさんはなぜ慶應ローに入学したいとお考えでしょうか?
「司法試験の合格率が高いし、上位ローとして有名だから」というのが率直な本音かもしれません。
しかし、それをそのまま書けばよいかというと、答えはノーです。
卑近な例ですが、好きな人にラブレターを渡す場合を想像してみましょう。
「見た目が美人だし、周りからもモテているみたいだから付き合いたいです!」と伝えても、おそらくふられてしまうはずです。
ステメンもラブレターと同じように、「読む側の気持ち」を考える必要があります。
慶應ローについて何も知らないままステメンを書こうとしても、
「慶應ローのどのような点に魅力を感じたのか」
「なぜ自分が慶應ローにふさわしいのか」
といったことを説明することはできません。
そこで、まずはしっかりと慶應ローについての情報収集を行いましょう。
1-2 慶應ローのホームページから情報収集しよう
具体的な情報収集手段としては、慶應ローのホームページが重要です。
~リンクはこちら~
慶應義塾大学大学院法務研究科
ホームページには慶應ローが公式に発表している情報が記載されているので、目を通しておく必要があります。
例えば、「法務研究科 概要:教育理念/目的/3つのポリシー/基本概要」というページを見てみましょう。
~リンクはこちら~
法務研究科 概要:教育理念/目的/3つのポリシー/基本概要
ここでは、慶應ローの教育理念が「国際性」「学際性」「先端性」の3つであることが説明されています。
ステメンを書くときにも、3つの教育理念と関連付けて書くことが重要といえます。
また、「3つのポリシー」という項目の中に、
法曹養成専攻においては、本専攻の教育を通じ、21世紀の社会を先導する法曹としてふさわしい基礎的法知識と法的思考力、および、高い倫理性を身につけるとともに、社会の変化に対応しうる先端性、国際性、学際性の点において多様な法的能力を獲得した者に法務博士の学位を授与する。
という記載があります。
ここには、法務博士の学位を授与する対象、つまり慶應ローの到達目標が書かれているので、志願の際にも参考になります。
さらに、
法曹養成専攻では、国際性、学際性、先端性を備え、21世紀の社会を先導する法曹の育成を目指しており、入学者選考においても、志願者が将来そのような法曹として社会で活躍するために十分な資質、潜在能力、意欲を備えているか否かを、様々な資料から総合的に判断して選考を行なう。
選考では、志願者が、大学における学部を中心とした教育を通じて、専門的な学識、一般的な教養、外国語能力などを十分に修得してきているか否かを重視して判断するが、社会人としての経験を有する志願者については、その経験を通して、いかにして高度な専門知識を身につけ、豊かな人間性を培い、新たな法曹への意欲を育んできたかについても考慮する。
という記載があり、入学者選考における考慮要素も明記されています。
以上の記載から、慶應ローは「司法試験の合格」をゴールとするのではなく、その先にある先端的な分野に応用できるような思考力などを重視していることがわかります。
そのため、志願理由として「司法試験に合格したいから」では不十分であり、「合格した後に何をしたいか」を記載する必要があるのです。
ステメンを書く前に、慶應ローのホームページにしっかり目を通した上で、どのような人物が求められているのかを把握しましょう。
それでは、次章からは具体的なステメンの書き方を解説します。
第2章 「学習、研究およびそれに関連する活動」の書き方
ここからは、実際にどのようにステメンを書けばよいのかを、2024年度の志願者報告書所定用紙に照らしつつ解説します。
~リンクはこちら~
慶應義塾大学大学院 志願者報告書 (2024 年度実施)
外国語試験のスコアや社会人経験などは当てはまらない方もいるので、全員に共通する項目の
- 学習、研究およびそれに関連する活動(3ページ)
- なお記載すべき自己評価および将来のビジョン(6ページ)
について、それぞれ説明します。
この章では、「学習、研究およびそれに関連する活動」について解説します。
ここには、大学学部などでどのような学習をしたかを記載していきます。
代表的なものとしては、大学の演習授業やゼミ活動などが挙げられるでしょう。
ここで重要なのは、第1章で解説した「慶應ローの教育理念」を意識した記載をすることです。
例えばゼミの活動の場合、単にどのような分野の研究をしたかだけでなく、それが学問上どのような重要性があり、社会的にどのような意義を有しているのかを具体的、説得的に記載しましょう。
記載例
例えば、Winny事件(平成23年12月19日)では、ファイル共有ソフトによって著作物の公衆送信権が侵害された事案において、当該ソフトの開発者に幇助犯が成立するかが問題となりました。
今日的には、AIなどによって科学技術は急速に発展しており、あるシステムが他者の権利を侵害した際に、開発者がどのような責任を負うのかは極めて重要な問題です。
そこで、私は、科学の進歩に伴いこれまでになかった犯罪を適切に防止しつつ、他方でシステムの開発者を不当に委縮させることのないように処罰範囲を画することが現代社会において強く求められていると考え、積極的に学習に取り組みました。
具体的には、前述したWinny事件のほか、eスポーツの賞金と賭博罪の成否など、実社会で問題となっているインターネットやテクノロジー関連の犯罪について研究を行いました。
私は、将来のビジョンとして、弁護士になり、先端技術を用いた活動を適法に進めることができるように企業を支援する仕事に携わりたいと考えています。
●●ゼミでの研究は、単なる受験のための勉強ではなく、現代における社会的意義を踏まえたものであり、そのような仕事に携わる際に必要な問題意識を養うことができました。
そして、貴校はその教育理念の一つとして先端性を掲げられているように、司法試験の合格をゴールとするのではなく、その先にある先端的な分野に応用できる柔軟な思考力を鍛えることを重視されています。
これはまさしく私が抱いている将来のビジョンと合致するものであるため、貴校を志願させていただきました。
※以上は架空の大学生を想定した記載例です。
実際のステメンは「他人の助けを借りず、自分で考え、作成し、記入」することが必要ですので(1ページ)、記事の文章をそのままコピペすることは絶対にやめましょう。
以上のように、どのような問題意識をもってどのような活動を行ったのかを具体的に書くことで、自分の強みや志願理由を自然とアピールすることができます。
「まじめです」「好奇心が強いです」といった抽象的な回答と比べてはるかに説得力があり、周りと差別化することができるでしょう。
「いや、ゼミでそんなすごい研究してないよ・・・」と思う方もいるかもしれません。
しかし、どのような分野であっても、学問上の重要性や社会的な意義はあるはずです。
身構え過ぎず、これまでに学んできたことの意味を問い直してみましょう。
第3章 「なお記載すべき自己評価および将来のビジョン」の書き方
この欄には、学外での活動実績など、「学習、研究およびそれに関連する活動」では書けなかったことを記載していきます。
任意回答なので不可欠ではありませんが、記載することがおすすめです。
例えば、大学のサークルで何らかの役職に就いていた場合、どのように貢献したのかを具体的に記載しましょう。
記載例
私は、他者の意見に耳を傾け、異なる意見を適切にまとめることを得意としております。
具体的には、私は○○大学で、週に一度読書会を開く「●●会」というサークルに所属し、書記を務めていました。
読書会では課題図書について各自が自由に意見を述べることができますが、フリーディスカッションの形式ですので順序などに決まりがなく、誰がどのような発言をしたかを思い出せないことも少なくありません。
そこで、書記が読書会の内容をメモに残し、後日メンバーに議事録を共有することになっています。
私は書記として、「異なる意見を適切にまとめるにはどうすればよいか」という視点で活動しました。
初めのうちは、メンバーの話をメモするだけでも精一杯でしたが、続けるうちに、異なる意見にも共通点があることや、なぜ意見が対立しているのかといった本質的な論点に気づくことが増えました。
その結果、メンバーからも「議事録を読んで、自分の言いたいことはこれだったと納得した」「対立していると思った他のメンバーの意見を受け入れる気持ちになった」といった嬉しい声も届きました。
このような活動を通して、異なる意見をまとめることの重要性を理解することができました。
将来、弁護士として活動する際にも、依頼人から法律相談を受けてから訴訟で争点整理をするに至るまで、異なる意見をまとめるという機会は多々あるはずです。
その際に、一方的な意見を押し付けたり、形式的な回答に終始したりするのではなく、依頼人や相手方が異なる意見を受け入れるにはどうしたらよいかという視点を常に忘れないようにしたいと考えております。
貴校は、法的思考能力の運用にあたって必要となる高い倫理性を身につけさせることを法曹養成のポリシーとされており、法律の知識だけでなく、その前提となる豊かな人間性を重視されている点に魅力を感じました。
※以上は架空の大学生を想定した記載例です。
実際のステメンは「他人の助けを借りず、自分で考え、作成し、記入」することが必要ですので(1ページ)、記事の文章をそのままコピペすることは絶対にやめましょう。
以上のように、自己評価や将来のビジョンも具体的な経験に照らして記載することを心がけましょう。
なにもスポーツなどで華々しい実績を持っている必要はありません。
例に挙げた「読書会の書記」のように、一見すると地味とも思えるような経験でも、きっと将来の役に立つ要素があるはずです。
第4章 まとめ
以上のとおり、慶應ローのステメンには
- 学習、研究およびそれに関連する活動
- なお記載すべき自己評価および将来のビジョン
の2つがあり、後者は任意回答ですが、どちらも説得的に記載することが重要です。
そのためには、
- 慶應ローのホームページから情報収集をすること
- 自分の経験に基づく具体的な記載をすること
が不可欠といえるでしょう。
この記事を読んで、慶應ローが求める人物像をアピールできるようなステメンを書けるようになれば幸いです。
※本文で引用されているホームページの内容は、いずれも2024年11月29日(本記事掲載日)現在のものです。
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