【予備試験の過去問】演習する4つのメリットと、勉強法や過去問一覧
目次
この記事を読んで理解できること
- 予備試験の過去問を演習する4つのメリット
- 予備試験の過去問の5つの勉強法
- 予備試験過去問演習の問題点と「ヨビロン」をオススメする理由
- 予備試験の過去問一覧
あなたは、
- 予備試験の過去問の重要性が知りたい
- 予備試験の過去問を演習するメリットは?
- 予備試験の過去問を使った勉強法が知りたい
などとお考えではありませんか?
結論から言うと、予備試験に合格するためには、過去の試験問題(以下、過去問)の効果的な勉強が不可欠です。
なぜなら、予備試験は合格率3~4%程度という非常に難しい試験のため、単なる知識の暗記だけではなく、過去問の演習によって問題の出題意図や傾向を理解する必要があるからです。
予備試験の過去問を演習するメリットは、
- 出題意図や出題傾向が把握できる
- 現在の自分の実力が客観的に把握できる
- 実際の試験の時間配分がつかめる
- 過去問演習を繰り返すことで知識が定着する
など、予備試験合格のためには欠かせないものです。
さらに、予備試験合格のためには、ただ過去問演習を続けるだけでなく、効果的な勉強法を理解することが大事です。
この記事では、
1章では、予備試験の過去問を演習する4つのメリット
2章では、予備試験の過去問の5つの勉強法
3章では、予備試験の過去問一覧
について解説します。
この記事をしっかり読んで、予備試験の過去問の重要性を理解し、予備試験合格に向けた今後の行動に役立てて下さい。
1章:予備試験の過去問を演習する4つのメリット
予備試験の過去問を演習するメリットとしては、以下の4つがあります。
- 出題意図や出題傾向が把握できる
- 現在の自分の実力が客観的に把握できる
- 実際の試験の時間配分がつかめる
- 過去問演習を繰り返すことで知識が定着する
それぞれ解説します。
1-1:出題意図や出題傾向が把握できる
予備試験の過去問を演習するメリットの1つ目は、出題意図や出題傾向が把握できることです。
過去問を解くことで、出題者が受験生に求めている能力や知識のレベルを具体的に理解できます。
予備試験では、単なる法律知識の暗記だけでなく、事例に対する法的分析力や論理的思考力が問われます。
例えば、論文式試験では、複数の法律分野にまたがる総合的な事例問題が多く出題され、関連する法規を適切に組み合わせて解答する必要があります。
過去問を通じてこのような出題パターンを把握することで、効率的な学習計画が立てられたり、各年度の出題傾向を分析することで、重点的に学習すべき分野や論点が明確になったりするでしょう。
特に、最近の5年間程度の過去問を集中的に取り組むことで、現在の出題傾向を正確に把握できます。
1-2:現在の自分の実力が客観的に把握できる
予備試験の過去問を演習するメリットの2つ目は、現在の自分の実力が客観的に把握できることです。
過去問に取り組むことは、自分の現在の実力を客観的に評価する最も効果的な方法です。
特に、実際の試験と同じ条件(時間、参照可能な資料など)で解けば、より正確な実力診断ができます。
■具体的なチェックポイント
- 基本的な法律知識の定着度
- 論理的な文章構成力
- 時間内に解答を作成する能力
- 複数の論点を適切に組み合わせる力
- 法的な思考プロセスの正確さ
このような自己診断を通じて、弱点を把握し効率的な学習計画を立てられます。
1-3:実際の試験の時間配分がつかめる
予備試験の過去問を演習するメリットの3つ目は、実際の試験の時間配分がつかめることです。
予備試験、特に論文式試験では厳しい時間制限があるため、過去問を本番と同じ条件で解くことで、適切な時間配分を体得できます。
論文式試験では、1科目あたり70分という制限時間の中で、問題文の読解、論点の抽出、解答の構成、答案の作成という一連のプロセスを完了させる必要があります。
過去問演習を重ねることで、例えば以下のような時間配分のコツもつかめるでしょう。
- 問題文の読解:15分
- 論点の抽出と解答構成:15分
- 答案作成:35分
- 見直し:5分
このような時間配分を意識しながら過去問に取り組めば、本番での時間管理能力が十分養えます。
1-4:過去問演習を繰り返すことで知識が定着する
予備試験の過去問を演習するメリットの4つ目は、過去問演習を繰り返すことで知識が定着することです。
過去問を繰り返し解くことは、単なる問題の暗記ではなく、法的思考力を養い知識を定着させる効果があります。
同じ問題でも、学習段階が進むにつれて新たな気づきや理解の深まりが得られるからです。
特に重要なのは、不正解だった問題や自信を持って解けなかった問題を定期的に見直すことです。
これにより、
- 誤った理解の修正
- 知識の抜け漏れの発見
- より効率的な解法の習得
- 類似問題への対応力向上
が期待できます。
2章:予備試験の過去問の5つの勉強法
予備試験の過去問の勉強法としては、以下の5つがあります。
- 過去問から勉強をスタートする
- まずは試験時間を1.5倍にして解く
- すぐに解答を見ずに妥当な結論をひねり出す
- 完璧を目指さず評価される解答を心掛ける
- 過去問は司法試験もあわせて最低でも5年分演習する
それぞれ解説します。
2-1:過去問から勉強をスタートする
予備試験の過去問勉強法の1つ目は、予備試験の勉強を過去問からスタートすることです。
多くの受験生は基本書を読み終えてから過去問演習を始めようとしますが、これは効率的ではありません。
むしろ、最初から過去問に触れながら学習を進めることが効果的です。
その理由は以下のとおりです。
- 試験で実際に問われるレベルが分かる
- 重要論点が具体的に理解できる
- 学習のモチベーションを維持できる
- 効率的な学習計画を立てられる
ただし、完全な白紙の状態から過去問を解くのではなく、該当分野の基本的な概念や法律の理解は当然必要です。
基本書の該当箇所を読んだ後、すぐに関連する過去問に取り組む方法が効果的です。
2-2:まずは試験時間を1.5倍にして解く
予備試験の過去問勉強法の2つ目は、まずは試験時間を1.5倍にして解くことです。
過去問演習を始めた当初から本番と同じ時間で解こうとすると、焦りから中途半端な答案になりやすいものです。
最初は試験時間の1.5倍程度の時間をかけて、じっくりと考えながら解答することが望ましいです。
■具体的な時間配分の例(論文式試験の場合)
本来の制限時間:70分練習時間:105分(70分×1.5)
-
- 問題文の読解:25分
- 論点の抽出と解答構成:25分
- 答案作成:45分
- 見直し:10分
この方法により、問題の本質を理解し、適切な解答の組み立て方を学べます。
その後、徐々に制限時間を短縮していけば、本番の時間内で質の高い答案を作成できるでしょう。
2-3:すぐに解答を見ずに妥当な結論をひねり出す
予備試験の過去問勉強法の3つ目は、すぐに解答を見ずに妥当な結論をひねり出すことです。
過去問を解く際、難しい部分に直面するとすぐに解答や解説を見てしまう受験生が多くいます。
しかし、これでは本当の実力はなかなかつきません。
まずは自分の力で、たとえ完璧でなくても妥当な結論を導き出す努力をすることが重要です。
その過程で、
- 法的な思考力が鍛えられる
- 問題解決能力が向上する
- 知識の不足している部分が明確になる
- 本番での応用力が身につく
など、本番に通じる実力が養われるでしょう。
2-4:完璧を目指さず評価される解答を心掛ける
予備試験の過去問勉強法の4つ目は、完璧を目指さず評価される解答を心掛けることです。
予備試験の論文式の採点では、完璧な解答よりも、基本的な理解を示し、論理的な思考過程を明確に示した解答が評価されます。
答案作成では以下の点を意識すべきです。
- 問題の要求に忠実に答える
- 基本的な法律構成を確実に示す
- 結論に至る理由付けを明確にする
- 読みやすい文章で表現する
- 時間内に解答を完成させる
完璧な答案を目指すあまり時間切れになったり、細かい論点にこだわりすぎて基本的な部分がおろそかになったりすることは避けるべきです。
2-5:過去問は司法試験もあわせて最低でも5年分演習する
予備試験の過去問勉強法の5つ目は、過去問は最低でも5年分演習することです。
予備試験の過去問だけでなく、司法試験の過去問も含めて最低でも5年分は演習すべきです。
両試験には共通する部分が多く、司法試験の過去問も有効な学習教材だからです。
■特に重要な点
- 最新の5年分を優先的に学習する
- 両試験の出題傾向の違いを把握する
- 同じ分野の問題を比較検討する
- 解答の水準の違いを理解する
できれば、全ての年度の問題を解くようにしましょう。
3章:予備試験過去問演習の問題点と「ヨビロン」をオススメする理由
ここまで解説したように、予備試験の過去問演習にはさまざまなメリットがあり、予備試験合格を目指すもっとも有効な勉強法です。
ただし、予備試験の過去問演習には、一つの問題点があります。
3-1:予備試験過去問演習の問題点
予備試験過去問演習の問題点は、模範解答や詳細な講評(採点実感)、具体的な採点基準を確認できないことです。
そのため、過去問演習を進めていても、
- 自分の解答に自信が持てない
- 論証パターンがつかめない
といった不安が解消しきれません。
一つの方法として、予備校などの添削サービスを利用する方法もありますが、予備校講師の添削では本質的な解答になっていない場合が多いです。
なぜなら、添削する予備校講師が、そもそも予備試験に受かってないか、総合順位が高くないケースが多いからです。
そのため、過去問演習を独自で繰り返したり、予備校の添削サービスを利用したりしていても、完全な解答にたどり着けず疑心暗鬼になってしまう可能性があります。
3-2:「ヨビロン」をオススメする理由
予備試験で確実に合格を目指すなら、予備試験の対策に特化した学習法が学べる「ヨビロン」をおススメします。
「ヨビロン」をオススメする理由は、以下のとおりです。
- 予備試験1桁合格者が作成した教材
- 予備試験1桁合格の専門講師から学べる
- 予備試験問題の傾向や合格までに必要な戦略が学べる
「ヨビロン」では、予備試験で出題される問題の考え方のパターンを体系化し、だれでも初見の問題に対応できる独自ノウハウが学べます。
そのため、ほかの予備校では学べない、予備試験特有の対策が得られるため、上位で合格できる確実性の高い学習が期待できます。
ヨビロンでは、2024年11月時点で憲法に関する教材を販売していますので、ぜひ活用してください。
4章:予備試験の過去問一覧
予備試験の短答式・論文式・口述試験の年度ごとの試験問題一覧です。
過去問演習にお役立てください。
4-1:短答式試験
短答式試験の過去問は、法務省のウェブサイトで平成23年度(2011年)からすべて公開されています。
予備試験短答式試験の過去問題は、法務省のこちらのページでそれぞれ確認できます。
■令和6年予備試験短答式試験問題
■正解及び配点
- 憲法・行政法
- 民法・商法・民事訴訟法
- 刑法・刑事訴訟法
- 一般教養科目
■令和5年予備試験短答式試験問題
■正解及び配点
■令和4年予備試験短答式試験問題
■正解及び配点
■令和3年予備試験短答式試験問題
■正解及び配点
■令和2年予備試験短答式試験問題
■正解及び配点
■令和元年予備試験短答式試験問題
■正解及び配点
4-2:論文式試験
論文式試験の過去問も、法務省ウェブサイトで公開されています。
予備試験論文式試験の過去問題と結果、出題趣旨は、法務省のこちらのページで確認できます。
■令和5年司法試験予備試験
■令和4年司法試験予備試験
■令和3年司法試験予備試験
■令和2年司法試験予備試験
■令和元年司法試験予備試験
4-3:口述試験
口述試験の過去問は、問題のテーマについて法務省ウェブサイトで公開されています。
口述試験では、過去に出題された問題のテーマから再度出題されるケースもあるため、過去問の傾向を分析することは非常に重要です。
■令和5年 口述試験問題のテーマ
民事:
- 所有権に基づく建物退去土地明渡請求訴訟における実体法及び攻撃防御方法に関する諸問題、弁護士倫理上の諸問題
- 保証債務履行請求訴訟における実体法及び攻撃防御方法に関する諸問題、弁護士倫理上の諸問題
刑事:
- 特殊詐欺事案を踏まえた詐欺罪及び窃盗罪の諸問題(実行行為・共謀等)、逮捕・捜索差押えに関する諸問題
- 殺人罪、自殺幇助罪及び嘱託殺人罪の諸問題(実行行為・故意等)、逮捕・勾留、訴因変更に関する諸問題(公訴事実の同一性等)、弁護士倫理上の諸問題
■令和4年 口述試験問題のテーマ
民事:
- 所有権に基づく動産引渡請求訴訟における実体法及び攻撃防御方法に関する諸問題、証拠、弁護士倫理上の諸問題
- 所有権又は賃貸借契約の終了に基づく建物収去土地明渡請求事案における実体法及び攻撃防御方法に関する諸問題、弁護士倫理上の諸問題
刑事:
- 窃盗罪における不法領得の意思に関する諸問題、勾留延長に関する諸問題、証拠決定に関する諸問題、弁護士倫理上の諸問題
- 私文書偽造罪の諸問題、証拠調べに関する諸問題
※令和4年司法試験予備試験口述試験における問題のテーマについて
■令和3年 口述試験問題のテーマ
民事:
- 所有権に基づく動産引渡請求訴訟における実体法及び攻撃防御方法に関する諸問題,書証,弁護士倫理上の諸問題
- 譲受債権請求訴訟における実体法及び攻撃防御方法に関する諸問題,書証,弁護士倫理上の諸問題
刑事:
- 窃盗罪等における占有に関する諸問題,公訴提起から第一審冒頭手続までの手続に関する諸問題,弁護士倫理上の諸問題
- 犯人隠避罪及び証拠偽造罪の諸問題,実況見分調書の証拠能力に関する諸問題
※令和3年司法試験予備試験口述試験における問題のテーマについて
■令和2年 口述試験問題のテーマ
民事:
- 時効取得した不動産の所有権移転登記手続請求訴訟における攻撃防御方法に関する諸問題,証拠方法,弁護士倫理上の諸問題
- 賃貸借契約の終了に基づく不動産明渡請求訴訟における実体法ないし攻撃防御方法に関する諸問題,書証,弁護士倫理上の諸問題
刑事:
- 強盗罪,強盗致死及び強盗殺人罪の諸問題,共同審理に関する諸問題,弁護士倫理上の諸問題
- 公務執行妨害罪の諸問題,薬物事犯における被疑者の留め置きに関する諸問題,逮捕の手続に関する諸問題
※令和2年司法試験予備試験口述試験における問題のテーマについて
■令和元年 口述試験問題のテーマ
民事:
- 賃貸借契約の終了等に基づく不動産明渡請求事案における実体法ないし攻撃防御方法に関する諸問題,民事保全,弁護士倫理上の諸問題
- 所有権に基づく不動産明渡請求訴訟における攻撃防御方法に関する諸問題,民事保全,立証方法,訴訟手続,弁護士倫理上の諸問題
刑事:
- 遺棄罪,身分犯と共犯,不作為犯,公判前整理手続,証人尋問
- 同時傷害の特例に関する諸問題(要適用範囲等),承継的共同正犯,訴因変更
※令和元年司法試験予備試験口述試験における問題のテーマについて
まとめ:予備試験の過去問を演習するメリットと取り組み方
予備試験の過去問演習は、合格への最短ルートといっても過言ではありません。
■過去問演習のメリット
- 出題傾向の把握
- 実力の客観的評価
- 時間配分の習得
- 知識の定着
■効果的な勉強法
- 早期からの過去問活用
- 段階的な時間設定
- 自力での問題解決
- 実践的な答案作成
- 最低でも過去5年分の演習
以上の点を意識しながら、計画的に過去問演習を進めることが予備試験合格への近道です。
ただし、過去問演習は単なる暗記や機械的な反復に陥らないよう注意が必要です。
問題の本質を理解し、法的思考力を養うという視点を常に持ちながら取り組むことが重要です。
予備試験1桁合格の専門講師から学べる「ヨビロン」を、ぜひ、最難関試験合格への第一歩としてお役立てください。
LINE特典動画では、私が提唱する「解法パターン」とその活用方法の一端をお見せします。
動画①では、「判例の射程とは何か」を予備試験の過去問を題材にしながら分かりやすく解説します。この解説を聞いた受講生からは「判例の射程の考え方・書き方がようやくわかった!」との言葉をいただいております。
動画②では、試験開始前に見ることで事案分析の精度が格段にあがるルーズリーフ一枚に収まる目的手段審査パターンまとめです。
動画③では、どの予備校講師も解説をぼやかしている生存権の解法を明確にお渡しします。
そして、動画④では③の生存権の解法パターンを使って、難問と言われた司法試験の憲法の過去問の解説をします。
是非、解説動画を受け取って、世界を変えてください。